2017年8月、インドネシアの首都ジャカルタ周辺の中古車販売店を訪問

2017年8月、インドネシアの首都ジャカルタ周辺の中古車販売店を訪問。現場にいるインドネシア人から、現在のインドネシア中古車市場について生の声を聞いてきた。

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インドネシアの中古車市場の特徴

インドネシアの中古車市場を理解するポイントは3つ。1つ目が「ブローカー介在型流通」という点だ。

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昔の日本と全く一緒で、インドネシアではブローカーが暗躍しやすい市場の構造となっている。「仕入れではブローカーを利用する。うちはブローカーが5人以上いる」(ジャカルタ周辺の中古車販売店オーナー)。インドネシアではブローカーから中古車を仕入れることが多い。そのためブローカーネットワークの大きさと質が中古車ビジネスの強みとなる。また、ブローカーの重要な役割は、都市から地方へ中古車を流通していることがあげられる。

2つ目は「高値安定の中古車市場価格」。特にトヨタ車の売れ筋はリセールバリューが高い。

中古車販売店の数は、インドネシア全体で1万5000か所ほど。ジャカルタ周辺の主要な中古車店集積エリアだけで中古車市場シェアはインドネシア全体の30%ほど。ジャカルタ周辺だけでも大きな市場ではある。

しかし最近の地方での中古車購入比率が増えている。隣接する西ジャワ州東ジャワ州などでも市場規模は大きい。インドネシアにはスラバヤ(ジャワ島)、メダン(スマトラ島)、マカッサル(スラウェシ島)など人口100万人以上の地方都市が10か所ある。このような地方都市はまだ中古車の供給が足りておらず中古車市場価格は、都市部より20%以上も高い価格となっている。地方での中古車市場が拡大することで、中古車市場価値は、しばらく安定しそうだ。

3つ目は「情報の非対称性」で、中古車サイトによる中古車掲載は増えているが、品質評価の基準がないこと、ブローカーが暗躍(個人間売買といわれていてもブローカー介在の可能性が高い)しており、エンドユーザは車に詳しくなければ騙されやすい構造、となっている。

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日本が経験した中古車市場の変化をインドネシアも辿る可能性が高く、将来を先取りできるという点で日本企業は、インドネシアにおける自動車アフタービジネスにおいて優位な立ち位置にいる。自動車の品質基準の統一化、情報の透明化は重要な視点となるだろう。